カナンファーム

尊敬する友人の新垣喜成さんの記事を無断転用！

「雁、寒潭を度る。雁去って潭は影を留めず。」
（かり、かんたんをわたる。かりさってたんはかげをとどめず。」
【雁度寒潭。雁去而潭不留影。】
by 洪自誠「菜根譚」

意味はね、
雁が冷たく澄んだ淵を渡るとき、淵はその影を映す。
だが、飛び去ってしまえば、淵はもはや影を留めない。
君子の心のありようも同様で、
事が起これば、それに対応するけれども、
事が過ぎ去れば、すぐに、もとの静けさに戻る。
つまり、忘れることがあらゆることの妙薬ということだ。

人間は本来、忘却の生き物である。
しかし、恨みや妬み、怒り、苦しみなどの感情が、
記憶の中から「過去」をほじくり返す。
艱難辛苦を乗り越えていける心持が肝要。
気に食わないことをした相手が憎いのではなく、
相手がしたことが気に食わなくて憎いだけ。

ドイツの心理学者エビングハウスによれば、
放っておけば、人間は20分後には約42％を、
さらに1時間後には56％、9時間後には64％を忘れてしまう。
これを「エビングハウスの忘却曲線」という。
覚えていたいことは忘れるけど、
忘れたいことは頭から離れないんだよね。
これぞまさに「煩悩」なのか。

まあ、いらんことは忘れようってことで・・・。